2024年3月2日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年12月14日

 上記Taipei Timesの社説は、中国との関係で、台湾は引き続き米国に全面的に協力し、台湾防衛に当たるべきであり、中国の表面的な変化に影響されるべきではないと述べている。その上で、最近米国議会に対し、「米中経済安全保障調査委員会」(USCC)が勧告した提言を台湾としても全面的に支持・協力すべきである、と述べている。

 この社説は正鵠を射たものであり、台湾から見て、習近平体制に対する警戒感を緩めてはならない、とするのはもっともである。社説の言う通り、台湾としては、いざという時の「台湾有事」に備え、軍事力を含む十分な反攻能力を備えなければならない。

オースティン国防長官と魏国防相の応酬

 中国の台湾侵攻の多様な内容としてUSCCが挙げているのは、軍事的侵攻以外にも、サイバー戦争、経済的圧力、台湾近辺への軍事・ドローン侵入、他国への外交的圧力など種々の形がある。そして、USCCは、米議会に対し、中国が台湾への武力攻撃や、海上封鎖などの敵対的行動をとったときは、制裁やその他の経済措置を科すため、省庁横断の常設委員会を設置することを勧告した。

 台湾をめぐり、米国議会において新たな動きがあることは、日本としても注視し、それに備える措置を取る必要があろう。

 バリ島での習・バイデン会談を踏まえ、中国の魏国防相は、11月22日、訪問先のカンボジアで米国のオースティン国防長官と会談した。これは、断絶していた米中間の国防当局の対話の復活と言えよう。その中で、魏は「中国としては米国との間の両国、両軍の関係発展を重視している」としつつ、「米国は中国の核心的利益の核心を尊重しなければならない」と釘を刺した。さらに、「中国軍は祖国統一を断固として守る気概、自信、能力を有する」と述べ、従来通りの強硬姿勢を一切変えなかった。

 これに対し、オースティンが「一方的な現状変更への反対」を表明し、激しい応酬になった、と伝えられている。中国の軍当局者の台湾問題への姿勢は、習近平同様、全く変わりはないと言って良かろう。

   
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