メーカー人の誇り
私もメーカー勤めをし、開発、生産ライン、販売なども経験したことがある。同じモノづくりをするのでも、その製品が店頭でどう扱われているかで、モチベーションが天地ほど差が出る。ベストは、子どもに「お父さん、××作っているの、すごいね」と言われることだ。自分の大好きな人に褒めてもらう。それがモノづくりの誉れだ。
給料をもらうのも重要だが、こちらも重要。会社は「経済」だけでなく「人」が重要なのだ。そうすると「栃木」の意味が見えてくる。「私たち」だ。だから「日本」ではないのだ。日立の栃木事業所は、特に「人」を活かすことに注力している工場だ。
新型白くまくん Xシリーズ
ところでトラックに乗せられた日立のフラッグシップ「白くまくん Xシリーズ」は、どんなエアコンなのか。コンセプトは、コロナ禍で求められる空気の質を具現化したエアコンだ。
ユーザーは今、部屋の空気に対し2つのことが気になっている。1つ目は、換気。エアコンは元々換気とは関係ない家電として設計されている。外気を取り入れると温度調整がとても難しいからだ。
ところが、コロナ禍、お座なりにされていた換気が注目されることになった。エアコンは、空調のトップ家電。このため、無理矢理だが、換気を取り入れた。幸い室内と室外をつなぐパイプはある。新たに家を傷つけることなく、換気ユニットを入れることは、可能だ。独立ユニットだが、取り付けを気にしなくていいので人気だ。Xシリーズはこれを採用した。
2つ目は、清潔性。これは2つの意味がある。1つはフィルター掃除。省エネ対策だ。各社とも、いろいろな方法を採用している。また、内部にカビが繁殖しない、できればカビ胞子がエアコンに入ってきても、再度拡散されるのは防ぎたい。このため、日本ではホコリが溜まらないファン、熱交換器をきれいにする凍結洗浄、カビが極めて生えにくいステンレスクリーンなどを、これまで開発してきた。
今回モデルから新たに「プレミアムプラズマ空清」を導入。プラズマ放電によりイオンを作り出してやり、空気中の黴菌(ばいきん。カビと細菌が合わさった熟語)を積極的にやっつけるというものだ。
加えて、湿度をより細かくコントロールして室内結露を防ぐことによって、カビが繁殖できる環境をなくした。熟成された「凍結洗浄」などの技術に、「プラズマイオン」「湿度コントロール」を加えることにより、「清潔」というユーザーニーズに応えたエアコンに仕上がっている。