「バリィさん」は今治PRのため、各地に「出張」している
結局2010年、社長の「英断」で着ぐるみを製作することになった。11年には「ゆるキャラグランプリ」で準優勝し、12年には頂点に輝いた。グランプリを制してしばらくの間、1日何百件ものグッズ販売、出演オファーが殺到し、会社のサーバーはパンクした。以来、宮田さんは土日も含めて地元・今治のみならず、全国各地のイベントに出突っ張りの生活となる。東京には月の3分の1以上滞在することも多い。
宮田さんに訊きにくい質問をぶつけてみた。「ゆるキャラで本質的に町を活性化させるのは困難なのでは」、「ブームはいつか去るのでは」─。
「その通りやと思います」。意外な答えであった。だがこうも付け加えた。「でも地元のためにやれることはやりたいんです。私の作ったバリィさんが登場することによって今治の人が笑顔になり、バリィさんによって他の地域の人が今治を知ってくれ、足を運んでくれたらうれしい。そのために日々全国を駆けずり回っています」。宮田さんの地元を思う気持ち、あっぱれである。 (編集部 伊藤 悟)
(写真:井上智幸)
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