2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月18日

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中東カタールが欧州議会関係者に金品を提供し、同議会での決定に影響を及ぼそうとしていたとする贈賄疑惑で、賄賂を受け取った犯罪ネットワークのリーダーとされる人物が司法取引に応じたことが、ベルギー検察の17日の発表で明らかになった。汚職に関わった国や、その活動実態について明らかにするという。

司法取引に応じたのは、イタリア人で元欧州議会議員のピエール・アントニオ・パンツェリ氏(67)。

ベルギー検察は、パンツェリ氏が同国の情報提供法に基づき司法取引に合意したと発表した。同法が適用されたのは過去に1度だけだという。

検察の報道官は、パンツェリ氏には「はるかに重い実刑判決」の代わりに禁錮1年と罰金が科され、100万ユーロ相当の資産が没収されると説明した。

パンツェリ氏はその見返りとして、犯罪ネットワークがどのように運営されていたのかや、関係国との金銭的な取り決めはどうだったのか、そして「彼(パンツェリ氏)が賄賂を渡したと認める人物の身元を含め、捜査における既知および未知の人物の関与」について、詳細に説明することが求められる。

パンツェリ氏の弁護士は、同氏が「刑事責任」を認めて「すべてを話す」ことに同意したと説明。同氏は「破壊され、さほど人生が残っていない男であり、それを理解することが重要」だと付け加えた。

また、パンツェリ氏は「この事件について知っていることをすべて話す」ことに同意することで、「自分が置かれた立場を確保できる」ことを望んでいるとした。

今回の司法取引は、贈収賄スキャンダルへの関与が疑われるパンツェリ氏の娘シルヴィア・パンツェリ氏(38)の身柄引き渡しをイタリアの裁判所が支持した翌日に発表された。

イタリア北部ブレシアの裁判所は先月、パンツェリ氏の妻マリア・コレオーニ氏の身柄引き渡しを支持した。2人については、同国の控訴裁判所が最終的に判断する。

現在、自宅軟禁状態にある妻と娘は、汚職やマネーロンダリング疑惑を否定している。

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カタールをめぐる贈収賄疑惑をめぐっては、パンツェリ氏ら4人の元欧州議会議員がベルギーで拘束されている。

この4人はパンツェリ氏、欧州議会のエヴァ・カイリ議員(副議長、ギリシャ選出)、カイリ氏のパートナーで議会補佐官のフランチェスコ・ジョルジ氏、ロビー団体「No Peace Without Justice」を運営するニコロ・フィガ=タラマンカ氏。

4人をめぐっては、カタールやモロッコが賄賂を渡し、欧州議会での決定に影響を与えようとしていた疑いがもたれている。

カタール側は贈り物や金銭を通じて影響力を得ようとしたことはないと強く否定している。モロッコも、漁業権や、領有権が争われている西サハラなどに関する問題で影響力を得ようとしたとする疑惑を強く否定している。

ベルギーの捜査当局は昨年12月、カイリ議員ら4人を逮捕、訴追した。うち1人の自宅からは約60万ユーロ相当、議員1人のアパートからは15万ユーロ、ブリュッセルのホテルの部屋にあったスーツケースからも75万ユーロの現金が見つかったとしている。

複数の関係者によると、15万ユーロが発見されたのは、カイリ議員のアパートだという。

パンツェリ氏は欧州議会を去った後、ロビー団体「Fight Impunity」の代表となった。ブリュッセル市内にある、フィガ=タラマンカ氏が運営するロビー団体「No Peace Without Justice」と同じ建物を拠点としていた。

(英語記事 Italian held in EU bribery probe agrees to tell all

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64313620


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