2022年8月10日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年7月17日

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 中国のサイバー知的財産窃盗によって、豪州もそれなりの経済損失を被っているはずである。この問題について議論しないことは、何の利益にもならない、と論じています。

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 豪州においても、中国のサイバー脅威が問題視されていることを示す論説です。

 今年5月には、建設中であった、豪の防諜機関(Australian Security Intelligence Organisation)の新庁舎の情報がハッキングを受け、フロア配置図、サーバー配置図、警備・通信システムの設計図が中国に盗み出されるという事件も起きています。

 シェリダンは、米政府が中国のサイバー問題を公に批判しはじめたことと比較して、豪政府が未だ明確な抗議をしないことについて苦言を呈していますが、米政府も当初は中国を名指しすることには慎重でした。

 米政府のそうした態度を大きく変えたのは、サイバー窃盗の大きな被害者である米ビジネス界における不満の高まりです。今後、豪政府が米政府と同様に、中国に対し公式に抗議するようなことになるとすれば、豪ビジネス界の同問題に対する不満の高まりがそのきっかけとなるかもしれません。

 また、ギラード首相は、総選挙を前に辞任し、同じ労働党のラッド元首相が復帰しましたが、保守系野党への政権交代の可能性は高いと思われます。豪政府が中国のサイバー攻撃に真剣に取り組む機運は高まりつつあると言えるでしょう。

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