適正な議員報酬とはどれくらいなのか?
適正な議員報酬とはどれくらいなのか。近畿地方の中堅都市で市議を務める山口賢一さん(仮名・40代)には、月60万円の議員報酬が支給される。年2回の期末手当を含めれば年収は約900万円に上り、加えて月6万円の政務活動費もある。それでも、生活は厳しいという。
「国民健康保険料だけで100万近く取られます。妻と共働きなので何とかなっていますが、私の収入だけで家族を養っていくのは無理。もちろん、議員としての活動を何もしなければお金は残ります。だけど、人と会ったり、有権者に配る活動報告を作成したりすれば金はかかる」
山口さんは政党には所属していないが、「保守系」の議員はほとんどが兼業だ。自営業で会社を経営しているケースが多い。山口さんも市議の傍ら、福祉関係のビジネスを立ち上げることを考えている。
「本当は、議員1本でやりたい。でも、お金は足りないし、議員を辞めた後の生活もあります。他の仕事で、生活のセーフティネットをつくっておく必要があるんです」
大都市並みに報酬を上げれば、議員のなり手は増えるだろう。しかし、そんなことは小さな自治体では難しい。また、なり手が増えても、人材の質が確保できるとも限らない。ならば、新たな方法で候補者を募ってはどうなのか。
国会議員の場合、選挙区に住んでいなくても立候補は可能だ。しかし、地方議員は「公職選挙法」の規定によって、選挙区に選挙権がなければ立候補は認められない。この規定を取っ払い、区外からも候補者を募るのだ。