2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年9月1日

 帰路については、AITのローゼンバーグがサンフランシスコで合流すると言われている。

 パラグアイは台湾と数少ない外交関係のある13の国の一つである。

 来年1月の台湾の総統選挙をめぐっては、熾烈な争いが3人の人間をめぐって行われている。特に民進党の頼清徳副総統、国民党の侯友宜・新北市長、民衆党の柯文哲主席の3人である。世論調査は本来変わりやすいものであるが、頼清徳が30数%、侯友宜が20%、柯文哲が20数%である。混戦模様であるが、柯文哲侯友宜が組むということになれば、頼清徳の票がどう変わるか、よく分からないところがある。

国際社会への訴え続ける台湾

 頼清徳は、昨年ホンジュラスの首相就任式に参加し、米国のカマラ・ハリス副大統領と会談を行った経験を持つ。

 頼清徳については、かつて自分は「台湾独立の仕事をする人間」だと発言したことがあり、その後、頼は言い方を変え、蔡英文と同様現状維持を誇示する、との方向に切り替えた。だが、中国共産党が頼を目の敵にしてきたことは言うまでもない。

 ニューヨークに着いた頼清徳は、今回の訪問は、「台湾が民主主義、自由、人権を堅持し、国際社会に積極的に参加する国であることを国際社会に理解してもらうもの」と述べた。

 自民党の麻生太郎副総裁は、8月8日、訪問先の台湾において講演し、台湾有事を念頭に「日本、台湾、米国をはじめとした有志の国々には戦う覚悟が求められる」と訴えた。麻生氏は同日、台北において、蔡英文、頼清徳氏らとそれぞれ会談し、日台関係の重要性を確認した。

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