2024年5月20日(月)

Wedge REPORT

2023年11月7日

日本の物流のラストワンマイルに貢献

 また同じくブルースカイテクノロジーで「クロスケ」の開発に携わった望月篤史氏は「余分なものを削ぎ落としたミニマムの美学を車内インテリアで表現した」と語る。実際にごちゃごちゃしたスイッチ類はなく、走行と停止もボタン形式になっている。ただし自動車メーカー社員が作った車だけに、プラットフォームの安全性には注力し、骨格にハイテン材を採用した強固なセミモノコックボディーになっている。さらに四輪独立サスペンションを使用することにより、MUVのクラスを超えた安定感も実現している。

 ユースケースとしてはネットスーパー等の小規模配送、配達代行サービス、修理点検などの出張サービス、パン屋などの移動販売、弁当屋などの食品配送などが考えられる。デザインも親しみやすく、小さくて可愛らしい乗り物が街中でたくさん活躍している世界は明るくて楽しい、と「METAx」は「MUV」が力を発揮できる社会の展望を語っている。

 今回の「クロスケ」は樹脂そのままの黒いボディのものと、ヴァレオのブースで同社のテーマカラーである白と緑に塗装されたものが展示されていた。塗装は採用する企業により自由に変えられるが、実は塗装はCO2排出量の多いプロセスでもあり、黒いボディのものが環境的には最も好ましい、という。「MUV」は日本の物流のラストワンマイルに大きく貢献できる車体として今後ますます注目されそうだ。

   
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