それは、私がM女氏の実家に行った時も同じです。リトルMを介して、和やかな時間を過ごすことが出来て、とてもありがたいと思っています。子どもが生まれて以来、前よりもM女氏の実家にお邪魔するようになりましたが、義父さん(ドイツ語の教授をされていて、非常にまじめな方)とワインを飲みかわして色々話をするようになりました。夏の夕方、風呂上りに義父の書斎で冷えたリースリングを飲んでいる時、風が吹いてカーテンが舞いました。窓の外に綺麗な夕焼けが見えたとき、M女氏家の家族の一員になったような気がしたものです。
子は鎹(かすがい)と言うのは、子が夫婦間を取りもつ言葉として使われますが、実は両家の両親と夫婦の仲も取り持ってくれる最強の存在のように思います。
「自分のことは自分でやろう」精神で
今、祖父母世代が孫に色々なプレゼントをしたりするのを、よく見聞きします。他にも孫の教育費を拠出する際の税務上の優遇なども整備されたりと、いわばリタイヤ世代から子や孫世代への資金の流れは、基本的な潮流のようです(その点、弊家は割とあっさりしていますが、それで良いと思っています)。さらに、孫への贈り物市場がひとつのマーケットになっているように思います。
そこに釈然としない思いがあります。社会保障の維持や景気の下支えを目的に、国の借金1000兆円まで膨らませ、将来世代に負担を先送りしておきながら、「はい、ランドセル」と孫にプレゼントするトレンドが正しいのだろうかと、思うことがあります。「いや、ランドセルはいいから、自分の世代の借金を返しておいてよ」なんて孫が言っているポスターを作れば、国の財政規律機運は高まってくるかも知れません(すぐに緊縮財政を求めているとか、特定の政党や政策を支持しているつもりはありません)。
経理部で消費税申告業務や国際税務戦略をやっていた時期もありますし、マンションのローンもあるので、日々の生活に税金や財政(=金利)を少し意識するからこんなことを考えるのかも知れません。ここも基本はFUJI ROCKの精神でいいと思います。自分のこと(=自分の世代のこと)は、自分でやろう。
久しぶりに父親と日本酒を飲んだせいか、今夜は少し飲み過ぎたみたいです(ある意味、納税タイムです)。揺れる車内でリトルMの寝顔を見ながら、ウトウトしていたので、色々考えてしまいました。明日はいよいよ、M女氏が職場復帰。私の育休ライフもついに本番入りです。
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