また、22年、中国のブラジル向け直接投資は、09年以来13年ぶりの低水準となった。報道によると、22年中国が投資すると公表していたプロジェクト(47億ドル相当)の内、実行されたのは28%にととどまった。その一方で、外国投資家にとって、対中投資のメリットの減少に伴い、ブラジルが魅力的な選択肢になっているとも言われている。
日本は絆を作れるか
今年1月、岸田文雄首相のブラジル訪問が予定されていたが、政治資金問題が発覚して中止となった。5月の連休時、経済協力開発機構(OECD)でのスピーチ後、ブラジルとパラグアイ(南米唯一の台湾承認国)訪問を検討中と報じられている。
実現すれば、安倍晋三首相以来10年ぶりの現役総理の訪問となる。安全保障分野における中国の脅威についてブラジルの理解を深めてもらうことに加え、メルコスールとの自由貿易交渉開始など経済分野での進展、ブラジル日系社会との「絆」強化策が打ち出されること等が期待される。