2024年5月1日(水)

BBC News

2024年4月18日

7月のパリ・オリンピック(五輪)開幕まで17日で100日となった。大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は、「前例のない」セキュリティー対策で大会の安全を確保するとし、そのための準備は「万全」だとしている。

エスタンゲ氏は同時に、「こうしたイベントでは最終盤で何が起きても不思議ではないので、謙虚な気持ちを持ち続けていく」とBBCに述べた。

セキュリティーをめぐって焦点の一つとなっているのが開会式だ。選手1万人以上が船160隻に乗ってセーヌ川を6キロメートル下る予定で、競技場以外で開かれる初の開会式となる。

エマニュエル・マクロン仏大統領は今週、セキュリティー面でのリスクが大き過ぎると判断されれば、パリのトロカデロ広場かスタッド・ド・フランス(国立競技場)のいずれかに、開会式会場が変更される可能性があると述べた。

大会組織委は当初、河川敷に約60万人を収容し、開会式を見られるようにする予定だった。しかし、現在はこの人数は30万人に縮小されている。

また、観光客は無料で式典を観覧できるようにする計画だったが、これもなくなった。チケットは招待者のみに渡され、一般の人がオープンな方法で入手できるようにはならない。

エスタンゲ氏は、「私は開会式の警備体制を信頼している」と強調。「史上初めて、最大限の人々にこの瞬間を楽しんでもらうことを目的としている。これまでの競技場の5倍以上だ。(中略)素晴らしい機会だ」と話した。

安全に対する脅威は、ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区での戦争の影響で増すことが懸念されている。

セキュリティー面の懸念

フランスは昨年10月、北部アラスの学校で教師が刃物で襲われ死亡した事件を受け、治安上の脅威レベルを引き上げた。12月にはパリ中心部の路上で、ナイフとハンマーによる襲撃事件が発生し、ドイツ人男性が死亡、2人が負傷した。

ヨーロッパの治安当局は、ガザ地区で起きているイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争で、イスラム武装組織による攻撃のリスクが高まっていると警告している。最近では「イスラム国(IS)」がサッカーの欧州チャンピオンズリーグ準々決勝での攻撃を予告し、懸念が高まった。

エスタンゲ氏は、「国際メディアへの露出によって得をしようとする人たちがいるのは知っている。だが私たちは冷静さを保ち、このイベントで最も重要なことを促進し守ることができる。私にとってそれはスポーツだ」と述べ、こう続けた。

「大会期間中、確実に安全な場所にするため、世界中のさまざまな国々と協力していく。強く協力する。だから自信を持っていい」

(英語記事 Paris Olympics 2024: 'Unprecedented' security operation will be in place, says Games chief

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cjr78j0qel1o


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