2024年10月15日(火)

BBC News

2024年10月15日

国連のアントニオ・グテーレス事務総長の報道官は13日、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区北部への最近の空爆が「多数の民間人犠牲者」を出していると非難した。ガザ北部では14日も、食料配給センターが砲撃され、少なくとも10人が殺害されたと報じられている。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ガザ北部のジャバリア難民キャンプの食料配給センターに14日朝、イスラエル軍の砲撃があり、少なくとも10人が死亡した。当時、腹をすかせた人々が配給を受けようと集まっていたという。

イスラエル軍は、この件を調査中だと説明。「テロの標的に対してのみ」作戦を実行していると付け加えた。

イスラエル軍はイスラム組織ハマスの戦闘員を根絶するとして、ハマスが再集結しているガザ北部で攻撃を開始したと10日ほど前に発表。以来、何百人もが殺害されたと報告されている。

国連のステファン・デュジャリック報道官は13日の記者会見で、ガザ北部ジャバリア地区からは5万人以上が避難しているが、砲撃や戦闘の激化で自宅に取り残された人もいると説明。民間人は「いかなる時も保護される」必要があるとした。

また、「ガザ北部でのイスラエル軍の作戦の激化で多数の民間人が犠牲となっていることを、事務総長は非難している。学校も作戦の対象となっており、避難していたパレスチナ民間人らが行き場を失っている」と述べた。

さらに、イスラエル軍の攻撃によって、井戸やパン屋、医療施設、避難所が閉鎖を余儀なくされ、栄養失調者の治療などの人道支援活動も停止せざるを得なくなっていると警告した。

国連によると、食料など必要物資のガザ北部への搬入は今月1日以降、許可されていない。近くの検問所2カ所は閉鎖され、南部から輸送することも認められていない。

一方、イスラエル軍は13日、支援物資の輸送トラック30台が、ガザ市南部の検問所から入ったと発表した。この日、アメリカのジョー・バイデン大統領は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に、ガザ北部へのアクセスの復旧が急務だと伝えた。

イスラエル軍は、ガザ北部ジャバリアと近隣地域の住民に対し、イスラエルがガザ南部に指定した「人道地域」に避難するよう指示している。同軍は「テロ組織に対して強力に作戦を実行しており、今後長期間それを続ける」としている。

しかし、北部に住む推定40万人のパレスチナ人の多くは、南部への避難に消極的だ。避難すれば二度と家に帰ることが認められなくなるのを恐れている。

ガザ中部では病院そばのテントに攻撃

ガザ中部のデイル・アル・バラフでは13日夜から14日朝にかけ、アル・アクサ殉教者病院に隣接する避難者のテントがイスラエル機に攻撃され、4人が死亡した。

イスラエル軍は、「駐車場付近の指揮統制センター内で活動していたテロリストを正確に攻撃した」と説明。民間人への被害を軽減する措置を取ったと主張した。

同病院の広報担当のハリル・アル・ダクラン医師によると、テント50張り以上が焼け、子ども、女性、高齢者ら約50人の負傷者の治療が病院で行われているという。

キャンプで生活していたウム・マフムード・ワディさんは、一家がすべてを失ったと述べた。

「娘たちをどこに連れていけばいいのか。冬がやってくる。寝具も服も何もない。私は打ちのめされている。ガス缶が爆発し、私たち(の世界)も爆発した」

(英語記事 UN condemns 'large number of civilian casualties' in north Gaza

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c80rndg4rddo


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