前回の9月11日「〈欧米と日本のコンテナの大きさは違う?〉独自の発展により日本が失ったコンテナ輸送のメリット」において筆者は、貨物をあらかじめ詰め込んだコンテナという標準化された “箱”を、トラックから船へ、船から鉄道へ、鉄道からトラックへと輸送モードの違いを超えて、貨物自体を積み替えることなしに一貫輸送が可能となったこと、そのような国際海上コンテナの普及が欧米各国のコンテナ標準化を推進してきたこと、それに対して国際海上コンテナとは異なる発展を遂げてきた日本のコンテナ輸送システムがサイズ・規模共に小規模化してしまったこと等述べた。
そこで今回は、日本における国際海上コンテナの流動とインターモーダル輸送の実態をデータにもとづき深掘りしていく。
一貫輸送であまり利用されていない日本の国際海上コンテナ
トレーラーからシャーシを外して箱だけにしたコンテナを国際間輸送に用いたのが国際コンテナ輸送システムである。それが欧州やアジアの各国の国内貨物輸送にも影響を与え、近年のそれら地域でのトラック輸送もコンテナ・トレーラー輸送が中心となっていることは、これまでも述べてきた。
国際コンテナ輸送システムの基本は、輸出荷主の工場や物流センターの戸前でコンテナを詰め(バンニング)、途中で積み替えずに、輸入荷主の工場や物流センターの戸前まで輸送し、コンテナを取出す(デバンニング)、ドア・ツー・ドア輸送にある。