2024年12月11日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年2月5日

 デジタル革命が進展する中で中国内での情報流通や環境は大きく変わってきているので、習近平政権のやり方は時代遅れではないか、と指摘するのがこの社説の一つのポイントです。しかし、習近平政権がジャーナリストに自由な報道をさせていないことが問題であり、そのやり方が旧態依然として非効率であることは、少なくとも外部の者にとっては、問題ではありません。

 今ではジャーナリストだけが発信源ではなく、普通の人も発信源になれるので、ジャーナリスト教育によって情報をコントロールすることはできないでしょう。旧ソ連では、反体制派が文書をタイプのカーボン・コピーで作って配布していましたが、今ではデジタル機器の発達で、コピーも配布もずっと容易です。もはや、情報コントロールによる権力維持を望んでも上手くいかないと思われます。中国政府は、好むと好まざるにかかわらず、ある程度オープンにならざるを得ず、そういう趨勢に抵抗はしても、無駄な努力になる可能性が高いでしょう。やがて、中国自身もそれに気づくでしょう。こちらから指摘しても反発するだけですから、自己学習してもらえば良いのです。

 最近のニュースで、中国人がニューヨーク・タイムズを買収する可能性があると報じられましたが、社説が指摘するようなジャーナリスト教育をしている国に、こういう買収をされては困ります。米国人の良識により、買収が阻止されることが、強く期待されます。

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