日本の漁業は崖っぷち

2014年2月3日

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インプットコントロールか
アウトプットコントロールか

 なぜ、このような違いが起こっているのでしょうか? 結論から言えば、規制すべきなのは「漁獲量」であって「漁船の大きさ」ではないからです。

 どんなに大きな漁船を造っても、肝心の「漁獲量」を押さえておけば問題ありません。北欧で巨大な漁船が海に浮かんで漁をしていても魚が減らないのは、「規制」すべきポイントを押さえているからです。日本はインプットコントロール(漁船の大きさ、禁漁期間等、漁獲努力量の規制)を重視しますが、漁業先進国はアウトプットコントロール(漁獲量の規制)の重要性を認識しています。漁船の大きさと漁獲量の関係は、この違いによる必然であり、さらに言い換えれば自主管理制度の限界、そしてきちんとした個別割当制度の有無の差です。

 日本で行われている自主管理を機能させるには、もともとの戦闘能力(=漁獲能力)を抑えておかねばなりません。漁船の大きさといういわゆる漁獲能力を抑えることでインプットコントロールを続けているのです。インプットコントロールされている漁船は、漁期や漁船の大きさの制限等のルールの中で、できるだけたくさん獲るという競争を強いられることになります。つまりインプットコントロールにおいては、漁船の大型化はその制度の維持のために最も抑えるべき要因の一つになるのです。

 一方で、アウトプットコントロールにより資源管理をしている北欧の国々にはどのようなことが起こっているのでしょうか? それぞれの漁船や漁業者が漁獲してよい数量は厳格に決まっています。大型、中型、小型といった漁船のカテゴリーがあり、例えば40億円もするノルウェーの大型巻き網漁船が本気で漁獲すれば、サバ、ニシンや他の資源はひとたまりもありません。しかし、漁獲できる量が個別に決まっていて、それを守ることが得になることを漁業者は経験から熟知しているので、そのような事態は起こりません。

中国の虎網船団の影響と小型のサバ

 大型巻き網船の中には、巻き網だけでなく、中層トロールも兼ね備える船もあります。サバやニシンといった魚を一度に2,000トン獲る漁船も多く、「そんなに獲って品質は大丈夫なのか?」と思われるかもしれませんが、漁獲した魚を海水で冷やして運ぶタンクによる鮮度維持能力の向上、漁船のスピードが速くなったことで水揚げ地への迅速なデリバリーを可能にしています。漁船の大型化によるメリットを享受して成長を続けているのです。一回の漁獲量が増えることで、漁に出る回数が減り、燃油の大きな節約にもなっています。

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