大阪市阿倍野区の商業地区に今年3月グランドオープンする、高さ日本一の超高層ビル、あべのハルカス。百貨店、オフィス、ホテル、展望台などが入った60階建ての複合ビルの16階に、あべのハルカス美術館がデビューする。
開館記念特別展のテーマは「東大寺」。奈良時代に聖武天皇によって創建された東大寺は、その長い歴史において、宗教活動や経典研究の中心地であるとともに、文化史上も重要な役割を果たしてきた。また、自然災害や兵火による焼失など、度重なる罹災を経て復興し、現在に至っている。その1250年以上にわたる歴史を約70点の寺宝とともに振り返る。
創建、教学、復興をテーマに3章で構成された会場には、釈迦の誕生を祝う花祭りの本尊「誕生釈迦仏立像(しゃかぶつりゅうぞう)・灌仏盤(かんぶつばん)」をはじめ、密教の舎利信仰に基づいた「金亀舎利塔(きんきしゃりとう)」や「黒漆塗舎利厨子(くろうるしぬりしゃりずし)」、そして東大寺再興に尽力した重源(ちょうげん)の肖像彫刻「木造重源上人坐像」など貴重な作品が展示される。いつの時代にも文化や信仰をリードした東大寺の歩みを、最新の都市型ミュージアムでたどるのも一興だ。
画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
あべのハルカス美術館開館記念特別展 東大寺
<期間>3月22日~5月18日
<会場>大阪市阿倍野区・あべのハルカス美術館(大阪環状線天王寺駅下車)
<問>☎06(4399)9050
http://www.aham.jp/exhibition/future/todaiji/
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