認可保育所の「選考」は、保護者の勤労・生活状況をポイント換算し、点数の高い人から希望の保育所に入れる仕組みだ。認可に入所できた女性は「大半の夫婦がフルタイムの共働き、勤続1年以上、育休明けの合算点で横並びになる。みんな、抜きん出るため“調整点”稼ぎに必死」と話す。認可に入れなかった時のため、認可外保育所(以下、認可外)を確保するのも常識だ。
認可外の利用実績は、認可の選考で有利に働くため、認可外に一旦預ける親も多く、入った子供がすぐに退園し、経営が安定しない園が続出。一方で、入園金で稼ぐ園も現れているという。親たちは一様に「10万円程度までの入園金は捨て金。預け先確保のための投資」と話す。行政が作った歪んだ競争に、保護者と保育所経営者が振り回されている。(後篇へ続く:3月14日公開予定)
WEDGE3月号 特集「64年ぶり『保育』大改革『待機児童ゼロ』国の本気度を問う」
◎過熱する「保活」母親たちのイス取り合戦(本記事)
◎2015年度開始「子ども子育て新制度」の内実
◎小規模保育充実の裏で忍び寄る「3歳の壁」
◎株式会社参入阻む「社会福祉法人」の闇を暴く(藤井賢一郎/上智大学准教授)
◎ライフネット生命 出口治明会長インタビュー「少子化は文化を滅ぼす」
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