2024年7月18日(木)

不況を生き抜く管理会計

2009年5月22日

講師は本当に「おいしい」商売か?

 ちがう例を取り上げよう。

 私が行っているようなコンサルティング・サービスや講師という仕事。よく人から「自分の身ひとつで稼げるおいしい商売でうらやましいですね」と言われる。いちおう「それほどでも・・」と笑顔を返しつつ、腹の中ではいつも「どれだけ大変か知りもしないくせに!」とムカついている(?)。

このコンサルティングや講師の仕事には変動費というものがほとんど存在しない。自分さえいれば仕事になる。たしかに「身ひとつで稼げる」というところまでは正しい。ということは値下げは可能だ。自分で言うのもおこがましいが、「全国どこへでも一万円ポッキリでお伺いします」と宣言すれば、たくさんの依頼を受けることになると思う。

 さあ、問題はそのときに何が起こるかだ。

 1万円ポッキリの講師料で講演依頼が殺到したとしたら、私は忙しくて他の仕事が何もできなくなる。忙しくて身体を壊してしまうかもしれない。つまり自分の身ひとつで商売を行っている人間にとって、「1日は24時間しかない」というキャパシティの上限が存在するのだ。その24時間で仕事に使えるのはせいぜい10時間。その10時間の仕事時間のなかで、事務所の経費、人件費などを賄っていかねばならない。

 いわゆる情報・サービス産業では、「自分という人間」そのものが商売の源泉になってきている例が多い。会計士や弁護士などの専門家もその典型的な例だ。一見「おいしい商売」と思われているが、働き過ぎで身体を壊してしまう人間が多いのもこの業界の特徴。

 それほどおいしい商売ではないんですよ。

 身体が資本の商売の場合、「1日が24時間しかない」ということがキャパシティの上限になって、大幅な増益が見込めないと言うことだ。 


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