2024年7月12日(金)

不況を生き抜く管理会計

2009年5月22日

キャパシティの限界を超えられるか?

 こうしてみると、「値下げによって販売数量(Q)が大幅に増加すること」という成功条件をクリアするのに、「キャパシティの制約」は大きな障害になることがわかる。そして、あらゆるビジネスに何らかの「キャパシティの上限」が存在する。皆さんもぜひ想像してみて欲しい。

 「自分のビジネスで販売数量が今の10倍になったら何が起こるか?」

 売上を10倍にするのはそれほど簡単ではないと思う。おそらく、なんらかの混乱が発生するのではないか?人手が足りないとか、在庫の運搬が出来ないとか、倉庫が足りないとか・・・。何らかのキャパシティ制約があって、それほど簡単に「10倍」は達成できないはずだ。販売数量が少し増えただけで、すぐ「キャパシティの上限がやってくる」ビジネスも多い。

 こうしたビジネスはそもそも「値下げに向いていない」のだ。反対に言えば、値下げしてどれだけお客が押し寄せても大丈夫なビジネスだけが「値下げに向いている」と言える。

 これまでに解説したマクドナルドの100円バーガーの成功を思い出してみよう。

 かつてハンバーガーを一気に値下げし、販売数量を大幅に増加させたマクドナルドは大増益を達成した。当然、大量のお客さんに提供する、大量のハンバーガーを焼かねばならない。そこには大量の物品を運ぶ流通の改善、大量のハンバーガーを焼く厨房での努力など、ありとあらゆる努力や改善があったはずだ。

 こうした努力を怠らなかったマクドナルドだからこそ、値下げ戦略は成功したわけだ。一方、単純に低価格をマネしただけのライバルは、その多くが赤字に転落した。


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