2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年4月18日

 この問題を前向きに解決するには、ウイグル人やチベット人が中国と平和的に共存共栄できる道を示すしかなく、それには先ず、宗教的・文化的慣習の禁止を解除し、彼らがウイグル人あるいはチベット人として生きられるようにしなければならない。また、彼らに対する中国社会の偏見を取り除き、経済開発はウイグル人社会やチベット人社会を対象に進める必要がある。さもないと、暴力はますます増え、地域はいっそう不安定化するだろう、と述べています。

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 昆明のテロ事件を受けて、あらためて中国の新疆、チベットにおける弾圧政策について中国の反省を求めている論説です。

 昆明事件の真相はわかりません。ウイグル族が犯人だという当局の発表があるだけです。どうしてウイグル人が昆明で無差別殺人をしたかの理由も説明されていません。

 そして、この論説は無差別殺人そのものの批判よりも、それをもたらした中国の少数民族対策を批判しています。

 中国による少数民族の弾圧を、米政府があまり非難しなくなった現在、この種の論説が表れることは、必要かつ歓迎すべきことと思います。

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