【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年4月25日

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 たとえば、日本人は自然が好き、とよく言います。本当でしょうか? 世間ではそういっているから、というのではなく論理的につきつめて考えればどうなるでしょうか?本当に自然が好きなら、過疎問題が発生するはずはありません。また、自然がすきなら、山奥に隠れていた平家の落武者などはとっくに誰かに見つけられていたでしょう。海外には日本人よりずっと本当の自然を愛し、未踏の地を好んで探検する民族はたくさんいます。海外を知り日本を知るためには、思想書ばかり読んでいてはいけません。その民族の風俗から生活、文化、場合によっては科学史・技術史まで幅広く学ぶ必要があります。

 「リベラルアーツ」というと、幅広い総花的教養と勘違いし、いくら時間があっても足りないと捉える人がいます。それは、受け身の姿勢だからです。もっとproactive(自発的)な姿勢で、自分なりの問題意識を持って、ピンポイントの疑問を抱いて下さい。問題意識なしに本を読んでも、ほとんど何も残りません。

 たとえば私が李朝朝鮮や韓国のことを知りたいと思うようになったのは、イザベラ・バードの『朝鮮紀行』に書かれていた両班の横暴なふるまいが本当にそれほどえげつないものであったかを確かめたかったためです。自分の問題意識を解決するために読書をする。自分の関心のある分野の本を主体性をもって選び、読むことが大切です。

 新書や解説本よりも原典にアタックしてみてください。古典もしり込みせず挑戦してみましょう。さらには原典で古典を読んでみてください。きっと今までに見えなかった世界が見えるはずです。

 いつになるか分りませんが、私はリベラルアーツの道場を作りたいと思っています。この道場は、5%のリーダーだけでなく、人生の生き方を見つめ直す人もウェルカムです。

 会社勤めをしていれば、組織の利益と社会の利益が反するときどうすればいいか、あるいは、組織と自分の価値観が相反するときどうすればいいか、という悩みを抱くことがありますよね。

 そういう疑問をもったら、リベラルアーツ道場に入ったらいい。自らの価値観や常識を疑う場だからです。自分の価値観が正しいかを検証し、その結果自己を確立すれば、「人が言っているから」「社会がこうだから」という言い方をしなくなります。最終的に自分自身で納得できる人生観や世界観をもつことがリベラルアーツのゴールです。そうなればきっと国際社会でも気後れすることなく活躍することができるようになるでしょう。

WEDGE5月号 創刊25周年記念特集 「25年後を見据えた提言」
英知25人が示す「日本の針路」
◎経済、企業
石黒不二代(ネットイヤーグループ社長兼CEO)「ネットが動かす未来のマーケティング」
浜田宏一(米イェール大学名誉教授、内閣官房参与)「“成熟した債権国”化する日本の今後の針路」
村上太一(リブセンス社長)「起業家育成へ教育・選挙改革を」
ポール・サフォー(未来学者、デジタルフォーキャスター)「シリコンバレーの強みは何か」
ヒュー・パトリック(米コロンビア大学名誉教授)「日本人よ もっと外の世界へ飛び出せ」
入矢洋信(トーヨー・タイ社長)「海外の事業は、まずはやってみる、やらせてみる」
千本倖生(起業家、元イー・アクセス社長/会長)「起業家は描きうるなかで最大の夢を持て」
◎政治、国際関係、安全保障
中西輝政(京都大学名誉教授)「25年後の米中と日本がとるべき長期戦略」
井上寿一(学習院大学長/法学部教授)「高まる“大統領型”首相待望論 将来の日本政治の姿」
ジェームズ・ホームズ(米海軍大学准教授)「軍事的ジレンマに陥る中国 日米のチャンス」
鈴木英敬(三重県知事)「地方分権の議論は発想が逆」
小谷哲男(日本国際問題研究所主任研究員)「太平洋を“開かれた海”へ “関与”戦略への転換」
山田耕平(レアメタルトレーダー)「草の根国際協力を国益に繋げ」
◎教育、人材活用、医療、司法
松田悠介(Teach For Japan代表理事、京都大学特任准教授)「日本の教育現場に課題解決能力の高い人材を」
菊川 怜(女優)「大学で学ぶということ」
駒崎弘樹(認定NPO法人「フローレンス」代表理事)「“イクメン”がデフォルト化している日本を創る」
亀田隆明(医療法人鉄蕉会・亀田メディカルセンター理事長)「日本は世界の医療産業国を目指せ」
山本雄士(ミナケア代表取締役)「さらば“ブラック・ジャック”名医論」
麻生川静男(リベラルアーツ研究家)「日本人のグローバルリーダーを育てるために」
久保利英明(日比谷パーク法律事務所代表弁護士)「世界に立ち遅れた日本の司法界 改革への3提言」
◎復興、観光、スポーツ、芸能、暴力団
星野佳路(星野リゾート代表)「25年後に大転換迎える日本の観光 旅館が切り札に」
宮本慎也(元プロ野球選手)「野球界に必要な地盤固め」
三遊亭圓歌(落語家/落語協会最高顧問)「古き良き“寄席”の笑い」
溝口 敦(ノンフィクション作家、ジャーナリスト)「衰微する暴力団、台頭する半グレ集団」
西本由美子(NPO法人「ハッピーロードネット」理事長)「福島浜通りへの帰還」

◆WEDGE2014年5月号より









 

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