2024年4月27日(土)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2014年5月22日

 わが社でも、ピーク時には毎月輸入する20フィートコンテナ1個の積み荷が30億円もする異常事態となった。投機家たちにマネーを供給していたのが、世界的に有名になったシャドーバンキングである。

近づきつつある中国のバブル崩壊

 このところ、世界のレアメタル業界でも「Value of Nature(自然の価値)」という考え方が議論されることが多くなった。レアメタルの採掘や製錬では、経済合理性を過度に追求すると、自然環境を毀損することが多いことが問題になってきているからだ。東京大学の岡部徹教授は「現在の社会システムの最大の問題点は、鉱物資源の評価が低い点にある。そのため、不当に安く採掘され、消費されている。鉱石が本来持っているValue of Natureについて真剣に考えるべきである」と指摘している。

 自然の価値といっても最終的には、需要と供給のバランスで決定するものだ。しかし、採掘業者の無秩序な新規参入や、取引所が乱立するという中国の資源経済メカニズムは、むしろ需給バランスを壊すものだ。その結果、自然の価値も損ねている。

 さて、シャドーバンキングからの融資による理財商品のデフォルトが時間の問題だとみる向きが増えてきたなかの3月7日、太陽光関連企業の上海超日太陽能科技の社債がデフォルトした。

 中央政府は、でたらめにやってきた金融機関を救済する余裕はないということだ。しかし、これらのデフォルトがトリガーになることで、取り付け騒ぎが起き、中国の金融システムそのものがパンクしてしまったら、08年のリーマンショックどころの騒ぎでは収まらないだろう。バブルの崩壊が来る可能性が増大している。

◆WEDGE2014年5月号より









 

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