2024年6月15日(土)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2014年4月22日

投資過剰な中国の経済成長

 しかし、今回の景気対策で中国経済が安泰とはならない。中国経済が構造調整の中にあるからである。中国政府は、政府が前面に出た投資主導型経済成長は過剰な投資を招いたとして、投資と消費がバランスする経済成長へと転換を促進している。

 確かに、中国経済の成長は官民投資(総固定資本形成)に大きく依存してきた。その比率は、かつての高度成長期の日本や韓国なども大きく上回っており、かつての日本と韓国での官民投資が最大でもGDP比で35%前後であったのに対して、45%以上に達している(図表5)。

【図表5】【アジア主要国:総固定資本形成のGDP比】
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 しかも、近年の中国経済に占める投資比率は過去と比べて一段と高くなっている。投資は生産力を増加させる。過大な投資となれば国内需要で吸収しきれずに、すでに世界一となっている輸出がさらに増え、貿易摩擦や過度の人民元高などによる経済不振につながりかねない。

 中国経済が長期的に安定成長を図るには、投資すなわち生産を消費とバランスさせていくことが欠かせない。これが、中国経済が構造転換を必要とする理由であり、その最中の景気対策は、大胆なものとはなりえないばかりか、むしろ必要最小限に抑制されたものとなると見なければならない。

 実際、中国の李克強首相も、4月2日に公表した景気対策から一転して、4月10日に海南省で開催された「アジアフォーラム」総会では、経済成長率の一時的変動に対して短期的で強力な刺激政策を採らず、中長期的発展を重視すると明言している。


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