2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年5月5日

 なお、ゲーツはここでプーチンの力による失地回復を黙認すると、クリミア、ウクライナ情勢を見ている中国が、行動を起こす危険があると警告していますが、日本にとって重要な点です。

 中国は、ウクライナ情勢に関して、ロシアの力での現状変更に欧米が強く反応しないことは東アジアでの領土紛争との関係で歓迎すべきだが、他方、クリミアが住民投票でウクライナからの分離を決めたことに対しては、中国内の少数民族問題との関係で好ましくなく、ウクライナ情勢に関してはロシア支持でも批判でもない立場をとっているとの見方がありますが、クリミアの情勢をみて、チベット族やウィグル族が蠢動するとは考えられません。それよりも、ゲーツが指摘しているように、力による現状変更が黙認されることの影響を懸念すべきでしょう。

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