2025年12月25日(木)

BBC News

2025年12月25日

ホンジュラス大統領選挙で当選したナスリー・アスフラ氏

中米ホンジュラスで大統領選挙が11月30日に実施され、開票作業が技術的な問題や不正疑惑のため数週間遅れていたが、24日になってナスリー・アスフラ氏の当選が発表された。同氏に対しては、アメリカのドナルド・トランプ大統領が支持を表明していた。

全国選挙管理委員会(CNE)によると、保守・国民党の候補アスフラ氏が得票率40.3%で勝利した。中道右派・自由党の候補サルヴァドル・ナスララ氏は得票率39.5%で、わずかに及ばなかった。

アスフラ氏はXに、「ホンジュラスよ。私は治める準備ができている。あなたを失望はさせない」と投稿した。

アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は、選挙結果をすべての当事者が尊重し、「ホンジュラス当局が平和的な政権移譲を確実に実施」するよう求めた。

だが、ホンジュラス議会のルイス・レドンド議長は、選挙結果は「完全に違法」だとソーシャルメディアに投稿した。

票の集計は、技術的な問題によって2度遅れた。選管当局によると、作業を請け負った民間会社が、事前の連絡も確認もなしにメンテナンスを実施したという。

リアルタイムで開票状況を表示するポータルがクラッシュし、その翌日に作業がストップした。再開後も、投票用紙の約15%は手作業で数えなければならなかった。

こうした状況を受け、先週は全国でホンジュラス全土で抗議デモが行われ、緊張が高まった。首都テグシガルパでは、左派の与党・リブレ党の支持者数千人が、選挙で不正があったとしてデモを行った。

トランプ氏が「干渉」との非難も

退任するシオマラ・カストロ大統領は、「選挙クーデター」が起きていると主張。トランプ氏の「干渉」によって選挙が損なわれているとしていた。カストロ大統領は憲法によって2期目の立候補を禁じられている。

アスフラ氏への支持を表明しているトランプ氏は、アスフラ氏の僅差のリードが集計で覆されることがあれば、「ものすごい代償を払う」ことになるだろうと発言していた。また、同氏が勝たなければ、アメリカは財政支援をやめると脅していた。

トランプ氏はさらに、アスフラ氏が率いる国民党のメンバーで、アメリカで麻薬と武器に関する犯罪で禁錮45年の刑を言い渡され服役していたフアン・オルランド・エルナンデス受刑者に恩赦を与え、両国の人々を驚かせた。

僅差で敗れたナスララ氏は、投票の9日後、「腐敗した人々」が開票を操作していると非難していた。また、トランプ氏の発言が自らの勝利の可能性を低めたと主張した。

ルビオ米国務長官は、開票結果の発表を受けて声明を発表。アメリカは「2国間および地域の安全保障協力の推進に向け、次期政権と協力することを楽しみにしている」とした。さらに、両国は「アメリカへの不法移民をなくし」、経済関係を強化していくとした。

(英語記事 Trump-backed candidate wins in knife-edge Honduran election

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cp8z4rp07z2o


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