2026年6月14日(日)

モノ語り。

2026年6月14日

 「愛媛には、愛媛なりの良さがあるはず。そう思った時にイメージしたのが柑橘類でした。温暖な地理的条件を生かして先人がつくり上げてきたブランドです。

 といっても、飲食品に関しては、すでにたくさんの商品が出ています。それ以外で何かないかと思って、気が付いたのが『香り』でした。そこで、会社の中に芳香事業部を立ち上げ、エッセンシャルオイルを完成させました」

柑橘類の皮をアップサイクル

 私にとっても、子どもの頃から生活の中に、柑橘類がありましたから、その香りは、郷愁を誘われると共に、気分を落ち着けてくれます。

媛香蔵 ハンドクリーム(上)、アロマミスト(左下)、エッセンシャルオイル(右下)

 「飲食品用に使用された柑橘類の皮は、飼料用になるか、廃棄されていましたので、その皮を利用して新しいものを生み出すことは、いわば『アップサイクル』することになります。通常の圧搾法ではなく、愛媛県内から集めた柑橘類の皮を『マイクロ波減圧蒸留法』という低温で蒸留する形で、天然の精油を抽出しています。柑橘類の香りは、比較的早く飛んでしまうので、クリームにすることで香りを閉じ込めることができました」

 飯尾さんには、愛媛県を「香りの聖地」にしたいという思いがあります。

 「『ロクシタン』などで知られるフランス南東部のプロバンス地方、その中でもグラース市は『香りの聖地』とも呼ばれています。自然や風土を大事にしているイメージで世界の人々に知られています。愛媛県も、香りを通じて日本人が憧れるような風土づくりをして、世界の人々から愛されるようになればと思っています」

 取材を通じて、図らずも飯尾さんが、県立松山東高校の先輩だということが分かりました。飯尾さんの思いに賛同して、私も微力ながら愛媛県の情報発信を進めていきたいと思います。

媛香蔵オンラインストア

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Wedge 2026年6月号より
国際秩序、瓦解の危機 日本主導で平和の再構築を
国際秩序、瓦解の危機 日本主導で平和の再構築を

ある写真集を手元に置き、時折ページをめくりながら、この原稿を書いている。『ヘルソン―ミサイルの降る夜に』(f/8)─。フォトジャーナリスト・佐々木康氏がロシアの侵攻下にあるウクライナへ二度赴き、撮影した作品だ。 佐々木氏は4月下旬、取材で知り合ったウクライナの兵士に「平和とは何か」を尋ねたところ、こう返されたという。「戦争の間の一時的な休息だ」 さらに、兵士はこう語った。「私たちの本性は、人間が絶えず平和に暮らすことを許さなかった。戦争は繰り返し起こる。私たちの世代は、第二次世界大戦後の長い(あるいは短い)平和な時代を生きることができて幸せだった。今、その時代は終わりを迎えようとしている」 誰しも、この言葉を信じたくはない。だが、この世界から戦争をなくすことがいかに困難であるかも分かっている。そうした〝大いなる矛盾〟の中で、私たちは現下の情勢をどう受け止め、どう考えるべきなのか。そして、日本(日本人)は何ができるのか─。


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