2026年9月29日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年9月29日

 言葉だけではない。実務でも米国は譲っていない。台湾問題や半導体の輸出規制では大きな進展はなく、11月10日に期限を迎える貿易休戦の延長は2カ月にとどまった。米戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、中国側は2年の延長を求めていたという。

 取りようによっては新型大国関係がついに成立したとも言い張れるが、そうではないと言い逃れる道も用意されている。曖昧さを武器にする、外交言語の妙である。

今後も繰り返される応酬

 中国はこの合意を本当の「対等」に変えるよう、圧力をかけていくだろう。一方で、米国もそう簡単に譲歩はしない。

 11月に中国・深圳で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、12月に米フロリダ州で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議と、首脳協議はまだまだ続く。笑顔を浮かべながらも「罠」をしかける、狡猾で巧妙な外交の応酬は当面繰り広げられることになる。

 そうした駆け引きで飛び交う言葉に、日本が一喜一憂する必要はない。外交的な虚飾ではなく、台湾や半導体といった実質的な懸案がどのように合意されるのかが重要であり、米中外交のディールの煽りを受けて、日本の国益が損なわれることがないよう日本外交が役割を果たせるのかが問われている。

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