昨年11月、プーチンがウィトコフのために作成した、翻訳も杜撰な「28項目のウクライナ和平案」も同様だった。その中の一項目には、北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの間で紛争が起きた場合、米国が仲介するとあった。しかしこれは、米国が NATO加盟国であるという事実を見落としている。
初心者でさえ、この仕掛けには気づく。しかし、ウィトコフとクシュナーは不動産取引には詳しいが、地政学的な細部については何の責任も感じていない。専門家が二人の交渉に同行することもない。
2月下旬の米・イラン協議では、核燃料サイクルについての自分達の理解に過剰な自信を持っていた。ウィトコフとクシュナーは、時間をかければ、オバマ政権が結んだ核合意以上の合意に到達できると考えた。
オバマ政権の2015年イラン核合意までは20カ月を要し、その交渉には核専門家が関与した。ところが、ジュネーブでの交渉には、専門家は誰もウィトコフとクシュナーに同行しなかった。
もしイランが今年初めに提示していた条件(核分裂性物質の大部分を国際的な監視下で希釈するという提案)を呑むのであれば、今のトランプは喜んで飛びついていただろう。要するに、二人は、トランプにとり余り役に立っていないということだ。
ガザも同じことだ。二人はガザを、魅力的な「ウォーターフロント」として捉えている。クシュナーはここでも、金銭的な利益に気を取られている。
彼は、ガザ再建の間に、住民を地区外へ移動させることを提案した。彼の考えでは、そこは不動産開発業者に任せるべきなのだ。クシュナーは、将来の「ガザ投資ブーム」に利害関係はないと明言し、ホワイトハウスは、二人とも米国民のために無給で懸命に働いていると強調する。
クシュナーの海外でのビジネス実績は、決して輝かしいものではない。クシュナーは、アルバニアの海岸にある保護地域に最大1万戸の高級ヴィラを建設する計画によって、アルバニアを「カラー革命」の瀬戸際にまで追い込みそうになった。大規模な抗議運動が起きた。アルバニアの首相ラマは苦境に立たされた。
最近セルビアでは、地元の反対等のためトランプ・タワー建設計画は撤退した。「アルバニアは売り物ではない」と普段は親米的なアルバニアの街頭では言われている。
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されるべき批判
ルースは、①クシュナーとウィトコフは戦争や外交を不動産や投資案件として見ている、そのためロシアやウクライナの真の考えを理解しておらずプーチンの提案で動いている、②イランとの協議には専門家も同行させていない、そのため2月のジュネーブ協議では交渉の進展機会を見逃した、③クシュナーはガザをリゾート開発の案件としか見ていない、④クシュナーはアルバニアの海岸地区のリゾート開発で地元の反対運動を引き起こし、セルビアでも地元の反対のためトランプ・タワー建設から撤退した等と批判している。
