2022年9月26日(月)

オトナの教養 週末の一冊

2014年8月28日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

――キリスト教原理主義者の中には、子供を学校ではなく自宅で教育している親も多いと聞きます。彼らには創造論者が多いのでしょうか?

矢口:もともとホームスクールは進化論を教える学校で教育を受けさせたくない親たちが、学校ではなく自宅で子供を教育しているケースが多い。進化論を否定する内容の教材を使っているので、どうしても創造論者になりがちです。

 このホームスクールは現在、アメリカで非常に増えています。学校の教育があまりにも世俗的過ぎて信用できないので、親がキリスト教の原理に基づき教育することが多くなっているのです。その際に使われる教科書が、創造論ミュージアム内の本屋で売られています。

――キリスト教原理主義者の支持者が多い共和党が創造論ミュージアムを支援しているのでしょうか?

矢口:共和党が関与していることはありませんが、民主党と共和党のどちらの支持者がこうしたミュージアムに来る人たちの中で多いかと言えば、やはり共和党支持者が多いでしょう。

 ただ、誤解して頂きたくないのは、キリスト教徒にも進化論を支持する人もいれば、そうでない人たちもいるということです。原理主義は文字通りの聖書主義で、進化論を完全に否定します。どうしても聖書を文字通りに信じ、絶対に誤りはないという前提に立ちますので。ただ、アメリカにはミッション系の大学もあり、そこの教員たちはキリスト教徒でありながらも、進化論に基づく生物や、地学などを教えているわけです。ですから、一概にキリスト教徒だから進化論を否定しているわけではありません。

――進化論を否定する人たちは、科学全般についてはどのように考えていますか?

矢口:創造論ミュージアムには、創造論を説明するうえで非常に「科学的」な描写があり、科学を否定しているわけではないというのが鍵です。科学や医学を知ることは重要で、細胞やDNAについてもきちんと勉強しましょうと。病気になれば医者へも行きますし、薬も飲む、手術も受けます。ですから、表面的には世俗的な人たちの科学觀とそれほど違いません。

 ただ、そこから一歩進むと「それらはすべて神様が造った」という論理になっているのです。キリスト教原理主義というと、とにかく新しいものや科学をすべて否定しているという印象があるかもしれませんが、そのようなことはなく、「我々は最新の科学知識を受け入れているけれども、受け入れれば受け入れるほど神の正しさが立証される」という論理なのですね。

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