――であればアメリカが地上軍を投入すれば簡単に倒せるのか。
中田 それは無理だ。アメリカ軍は強いイメージがあるが、本当に弱い。その理由の1つとして法の縛りが挙げられる。彼らは随分ひどいことをしているが、それでもシリアのアサドやイラクのフセインの軍隊に比べれば、一応軍規がある。軍規があるとやはり弱い。
――実際の戦闘を目にしたか。
中田 「今からシリア政府が管轄する軍用空港を攻撃しに行くから来い」と言われてついて行った。上から明確な命令があったわけではなく、「ちょっと行くか」という感じだった。指揮命令系統はしっかりしていない。彼らは死ぬことをまったく恐れていない。喜んで死ぬ。一方の政府軍は死を嫌がって逃げる。だから弱い。
――「イスラム国」へはどんな人が集まっているのか。
中田 世界各地から「イスラム国」へ集まっている人の多くは中東出身者のイスラム教徒。稀に白人を見掛けたが。
――彼らが「イスラム国」の活動に参加する理由は。
中田 実際に話したわけではないが、普通にイスラム圏でイスラムの世界なので、「イスラム国」にいたほうが気持ちよいのだと思う。そこへ集まる人たちはムスリムなので。
――給料は出ているのか。
中田 月50ドル出ている。もちろんムジャヒディン(ジハードを行う人)になると、たとえばガソリンをいくらもらえるとかあるらしいが。現地で50ドル札を見せてもらったが「大変なんだよ、これを一枚もらうのが」と話していた。
――現地に日本人はいたか。
中田 いなかった。これから増えると思うが。
――なぜ。
中田 増えるに違いない。日本にいて何かいいことがあるだろうか。毎年3万人も死んでいくような国。自殺するよりまし。「イスラム国」へ行けば、本当に貧しいが食べてはいける。