中国経済のさらなる失速要因となるか
あるファンドの関係者は、経済への影響はすでに深刻な現象として出てきていると指摘する。
「実際のプロジェクトで停滞してきているものが目立つようになってきています。とくにクリーンエネルギー分野で、それが顕著で、風力発電などはたくさんのプロジェクトが開店休業状態です。こうした問題が広がれば、中国経済にとっては大きなダメージになるでしょうね」
今年7月に発表された4月-6月期のGDPの成長率が7.5%を上回り、中国経済は停滞を脱したと多くの新聞が報じだが、これは鉄道関連事業など公共事業を行うことで実現されたものである。中国経済にとって大きな太い柱である投資で数字をコントロールすることの有用性は明らかだが、もし不作為という現象が蔓延すれば、中央という脳の発した信号を手足が実行しないという事態にも陥りかねない。そうすれば政策の効果も期待できないのだ。
“不作為”が中国経済失速のさらなる要因になるのか、見極めが必要だろう。
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