2022年10月6日(木)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2014年10月24日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 もちろん、米中経済だけが世界経済の動向を決めるわけではない。中国や主要新興国の成長鈍化が世界経済のマイナス材料としても、プラス材料もある。それは、なお時間がかかるとしても、欧州経済が金融危機から脱していくことである。すでに、ギリシャ等の南欧諸国では財政健全化に加えてデフレや賃金下落が止まってきており、かつての行き過ぎた財政赤字拡大や賃上げ等による成長のツケがかなり清算されつつある。

 この世界経済の構造変化は、経済活性化を図る日本にとっては大きな追い風となる。ひとつは、資源・エネルギー価格の低位安定が無資源国日本にとっては有利に作用することが挙げられる。また、ドル高も輸出立国日本にとっては有利な材料である。

 いずれにしろ、地域ごとの経済動向もさることながら、世界経済に最も大きな影響を与えるアメリカと中国の経済構造変化を見落としてはならない。そして、新たな世界経済の潮流に乗る国やそれに右往左往することなくバランスのとれた経済構造を構築する国が今後経済成長を享受することになる。日本もその備えを欠かしてはならない。

  
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