2022年8月9日(火)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2014年10月24日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部教授

1952年生まれ。東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所チーフエコノミスト、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

アメリカの原油輸入額の減少は、貿易赤字の縮小を通じてドル相場にも影響を与える。すでに改善が著しいアメリカの原油自給率がいずれ100%に近づくと想定することもあながち荒唐無稽ではないが、仮にそうなると、貿易赤字は大きく縮小して一段とドル高になる事態も十分に想定される(図表2)。

中国の制御された成長鈍化

 もうひとつ、世界経済の方向を決めているのが中国経済の動きである。中国経済は、かつての10%以上の成長率から減速している。今年7-9月期の経済成長率を見ても、前年同期比で7.3%の成長に止まっている。しかし、成長鈍化は想定外ではなく、意図された減速であることを改めて認識しておかなければならない。

 中国政府は、成長の軸足をより内需・消費に移す経済構造転換を指向しており、7.5%近傍への経済成長の鈍化はその目標に沿ったものでもある。その背景には、いままでの中国経済が外需・投資主導で高成長してきたものの、輸出額や製造業付加価値生産額はすでに世界一となっており(図表3)、従来同様の勢いで伸び続けるのは難しくなっていることがある。

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