Wedge REPORT

2014年10月26日

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 最近は、アベノミクスやオリンピック・パラリンピックへの期待感もあり、今後の東京の市場動向を注視する外資系企業も出ている。たとえば、中長期滞在ビジネス客向けサービスアパートメントで世界最大手のシンガポール資本・アスコットは4月、東京・大手町に最高級ブランド「アスコット・ザ・レジデンス」を開業すると発表した。日本初上陸のブランドで、開業予定は17年。英語を話せるスタッフを常駐するなどして、外資系企業の幹部らをターゲットにするという。

 しかし、そうした外資の動きを本格化させるためには、この20年間に積み上げられた課題を解決し、世界の都市にはない、東京の魅力に一層の磨きをかけなければならない。

 ビジネス拠点をめぐるアジアの都市間競争で、東京のライバルになるのは、シンガポールだ。前述の調査会社のアンケートでは、ビジネス拠点ごとに魅力のあるアジアの国を選ぶ質問で、すべての拠点で最多を占めた中国を除き、日本とシンガポールが2位、3位を争っている結果が読み取れる。

 シンガポールは、東京よりも税制面で優遇されており、法人税率は、東京の35.64%に対し、半分の17%しかない。こうした税制が影響しているのか、富裕層(家計資産が100万ドル以上)の割合も大きく、シンガポールは8.2%で世界5位。一方の日本は2.6%で14位だ。

 東京をアジアのビジネス拠点として復活させようと、東京都は「アジアヘッドクォーター特区」の旗を掲げている。国家戦略特区では、東京を国際金融センターに成長させる「東京金融シティ構想」や、日本橋に創薬ビジネスの拠点を整備する構想を打ち出し、海外から外資や高度人材を呼び込む考えだ。

 だが、果たして、東京はシンガポールとの都市間競争を勝ち抜き、名実ともにアジアナンバー1の都市になれるのか。そして、アジアナンバー1になるためには、今、何が求められるのか。

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◆Wedge2014年7月号

 

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