「知らなかった」ではすまされない、
不正な情報の拡散
改めてツイッターの投稿を見てみると、今回の情報流出は「あの画像が発売日前のものとは知らずに拡散してしまった」というケースが多いようだ。普段から週刊誌を買う習慣がない人からすると、確かに発売日意識は低いのかもしれない。以下のようなツイートも、拡散で話題になった翌日以降から相次いで見られるようになった。
昨日のワンピの扉絵RTしてすいません…発売前なのに、常識がなかったです…。気分を害されたフォロワーさんがいましたら、申し訳ありませんでした。(@teramae8)
https://twitter.com/teramae8/status/530662292208111616
このツイートをした人はリツイートを取り消ししているが、気付かずに拡散したまま放置してしまっている人も多そうである。先ほどの著作権の観点で言えば、こうして不正流出した情報を拡散することは、意図的でなくとも犯罪を助長する行為となりえる。
今回の扉絵は、「感動や発見を広めたい」という善意から多くの人に拡散されてしまい、ネタバレがたまたま露呈したように見えるが、意図してこうした拡散が起きた場合はより深刻なものとして捉えられたはずだ。それらをそのまま放置するのではなく、版元はコンテンツ流出の出元を徹底的に抑える必要があるし、読者となりえる一般消費者は、まずは情報の出所が正しいものなのかを一度冷静に確認するスキルが求められている。
SNSの普及によって誰でも情報を発信することが可能になった現在では、情報リテラシーが作り手側にも受けて側にも必要とされていることが、今回の一件でまた明らかになったのではないだろうか。
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