World Energy Watch

2014年11月19日

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 石炭消費を抑制するために、発電部門における原子力、水力、風力、太陽光などの導入を政府は進めている。このため、図‐2の通り、経済成長と石炭消費量増との関係に乖離がみられ始めた。

需要減で石炭生産量も削減し始めた

 14年上期の実績では、石炭生産量が18億5000万トンとなり、前年同期に比べ1.8%減少したと報道されている。中国の石炭生産量が減少したのは21世紀になり初めてのことだ。生産の減少は、12年下期から始まった需要減少による生産過剰を調整するためだ。中国石炭協会によると、石炭会社の70%以上は赤字になり、50%以上の会社は賃金支払いに支障をきたしているとのことだ。

 中国政府は、大気汚染改善のために石炭輸入量と品位も制限する意向を示している。15年1月から都市圏で輸入、販売される石炭については品位が規制され、灰分16%以上、硫黄分1%以上の品位の悪い石炭は使用禁止となる。輸入量は自然に減少するとみられている。

 もともと大気汚染対策で石炭使用量の削減を始めたと言える中国だが、石炭の消費量が抑制されれば、CO2の排出量も抑制される。図‐3が中国のCO2排出量とそのなかで石炭の燃焼からの排出された量の推移を示している。中国のCO2排出量の約8割は石炭の燃焼によるものだ。大気汚染対策のための石炭使用量抑制が、そのまま温室効果ガス排出抑制に大きく結びつく。

 世界のCO2排出量のうち43%が石炭の燃焼からのものだ。中国の石炭の排出量比率の高さは世界の中でもずば抜けている。それゆえに石炭対策が温室効果ガス排出減に容易に結びつく。30年までに排出量のピークを迎えるという中国の目標は、石炭離れが始まった中国では当たり前のことを言っているだけのように取れる。

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