World Energy Watch

2014年11月19日

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 再エネの比率が増え、風力と太陽光からの発電量が全体の13%に達したドイツでも、コスト上昇を抑えるために石炭火力からの発電量が上昇している。図‐1の通りだ。再エネを導入したために、皮肉なことにCO2の排出量が増加し、このままでは20年のターゲット、90年比40%削減は5%から8%未達になるとドイツ経済省は予想している。このために、12月3日に閣議決定予定の新政策ではエネルギー効率向上に加え発電部門での石炭消費量削減策が織り込まれる可能性があるとみられている。

石炭消費を抑制し始めた中国

 中国は世界一の石炭生産国であり、消費国だ。米エネルギー省のデータでは、2012年の生産量は36億6100万トン、2位米国の9億2200万トンの約4倍、輸入量も11年に日本を抜き世界一となり、消費量は生産量以上の37億6500万トン。それぞれ世界のシェアの46%と49%と占める。

 世界の石炭消費の半分を占める最大の理由は発電だ。中国の発電量の81%は石炭火力が作り出している。中国の発電設備量は2011年に米国を抜き世界一になった。11億キロワット(kW)を超え、発電量は4兆5000億kW時、日本の4.5倍だ。中国のセメント、鉄鋼生産も世界一だが、石炭はここでも利用される。

 石炭の消費量の増加は、大きな環境問題を引き起こした。PM2.5だ。オリンピック、APECなどの国際的な催し物が開催される度に、自動車の乗り入れを制限し、近隣の工場の生産を停止しなければならないほど、大気汚染が深刻化している。

 今年3月の全国人民代表大会では、李克強首相が開会の演説で「貧国と環境汚染に対し宣戦布告を行う」と述べ、スモッグを「非効率で盲目的な開発に対する自然の警告」と称した。世界保健機構の基準値の20倍を超えると言われるスモッグは多くの健康被害を引き起こしている。

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