テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。
あっという間に消費された
「小4なりすましサイト」
ここ最近で最も話題になったネット上のニュースといえば、「小4なりすましサイト」事件だろう。11月20日夜に開設された「どうして解散するんですか?」と名付けられたサイト。当初、「中村」という小学校4年生が運営しているとアピールし、Twitterなどで拡散されたが、1日も経たないうちに、さまざまな検証が行われて実際の運営者が明らかに。22日に、NPO法人「僕らの一歩が日本を変える」の代表を務めていた大学2年生が、自らがサイト制作を主導したことを認め、謝罪した。
22日からの約1週間で、この件に関する議論は出尽くした感がある。ほとんどは大学生を非難するもので、安倍首相までがFacebookで「組織的な印象操作」と批判。「首相が激怒した」と伝えられた。一方で、若者の「やらかし」には寛容になるべきと擁護する人や、以前から大学生を知る人からの「激励」記事も見られた。28日に掲載された、人気コラムニスト小田嶋隆氏の「文章は世の中を動かせない」(http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20141127/274372/?P=1)を最後に、議論は出尽くした感がある。
選挙を前にしてサイトが突如立ち上がり、あっという間にネット上で「正体」が暴かれ、批判され、謝罪し、議論が巻き起こる。「事件」が起こってから、その話題が消費され尽くすまで1週間足らずというスピードが、非常に「インターネット的」であると感じた。大勢の人がSNSで思い思いの意見を言い、言い終わるとあっという間に飽きて去っていく。しかし話題が忘れ去られても、炎上した痕跡はネット上の残り続ける。
やらかしてしまった人に対する集中砲火は、ネットでよく見られる。「どうしてこんな叩かれることをしたんだろう」と憤りつつ、同時に「何かの拍子に、自分が炎上してしまったらどうしよう」と考えたことがある人もいるのではないだろうか。有名であれ無名であれ、ネット上で何らかの発信をしている以上、何かのきっかけで炎上してしまったり、不本意な注目を受けてしまう可能性はゼロではない。その緊張感を「ネットの怖さ」「嫌な部分」だと感じる人もいるだろう。
首相すら反応したこの顛末を見てネットの炎上案件には少し食傷気味という人のために、ほっこり系の話題をひとつ紹介したい。