同じ「やらかす」でも……
シャープと山芳製菓のゆるいやり取り
togetterでまとめられたこちらの話題。
「わさび抜きわさビーフ発売!ところでシャープさん半年前に言ってた事覚えてる?」→シャープさんやらかす
(http://togetter.com/li/750519)
「やらかす」という言葉に一瞬身構えてしまうが、こちらは炎上案件ではない。
発端は今年4月に、エイプリルフールのネタとして、山芳製菓が「わさび抜きわさビーフ」という商品をツイートしたこと。山芳製菓株式会社ではその後、このツイートが80044回以上RTされたら商品を発売するというチャレンジを実施した。残念なことにRTは目標回数に達しなかったが(いくらなんでも80万回は…)、多くの要望があったことで商品化に向けて動き出した。
そして、SHARPがこんなつぶやきをしたのが5月22日のこと。
わさび抜きわさビーフが商品化された暁には、消えたわさびの代わりに、お茶プレッソで挽いた抹茶をかけさせてください… @yamayoshiseika さん。
https://twitter.com/SHARP_JP/status/469447634642415617
このつぶやきを忘れなかった山芳製菓が、SHARPに完成した「わさび抜きわさビーフ」を送り、SHARPの広報担当者が「お茶プレッソで挽いた抹茶」を「わさび抜きわさビーフ」にかけて食べることになった。
企業のTwitterアカウントが積極的に他社とやり取りする例は、数年前からあった。一時はかなり話題になったが、最近では以前ほど注目されていなかったように思う。山芳製菓はSHARP以外の企業にも「わさび抜きわさビーフ」を送付していたようで、この様子はハフィントンポスト日本版の記事にもまとめられている。
「わさビーフ」"わさび抜き"発売に思わぬ余波 シャープの中の人が「猛省」
http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/29/wasa-beef_n_6239750.html?&ncid=tweetlnkushpmg00000067
誰でも情報を発信できるネット上では、批判や悪意も伝わりやすいが、その代わりにコンタクトを取りたい人とつながりやすい。もちろん「つながる」には、それなりのマナーやセンスが求められ、人によって向き不向きはある。できればうまく人とつながっていきたいものだが、なかなか難しい。「小4なりすまし」とSHARPと山芳製菓のやり取りは、ネット上の「失敗例」と「成功例」と言えるだろう。ネット上では今日もどこかで、炎上が起こり、ゆるいつながりが生まれている。
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