「呟く市長」は何を変えようとしているのか

2014年12月12日

»著者プロフィール

――数日前、父親の「部分休業」についてツイッターで言及されていましたね。特定の期間を休む育児休業よりも、毎日通勤しながら時短が気兼ねなくできるようになったらもっと助かるのに、と思う人は少なくないはずです。

熊谷:なかなかわかってもらえないところですよね。市職員についても制度を変えて、部分休業を取りやすいようにしたところ少しずつ利用も広がっています。まず市役所から範を垂れることも必要です。

 目標は、千葉市の男性の育児時間が首都圏1位になることです。男女共同参画担当にも、それ以外の数字はツールとしては気にしなければいけないけれど、目的は育児時間そのものの拡大なんだと口を酸っぱくして言っています。数年後に1位を達成するためには何をすればいいのかを、しっかりと考えてもらいたいんです。

 その1位を、我々はいつか宣言したい。「千葉市に引っ越すと夫が育児をするようになりますよ」、これは男性側にとっても響く言葉だと思うんですよね。それを目指すための対策を積み上げていきます。

――市内の企業にも、男性が育児支援制度を遠慮なく使いやすい環境ができていれば、人口減少社会での大きなアドバンテージになりますね。

熊谷:私がツイッターで子育ての話をしきりに呟いているのはそれが目的でもありまして、「市長も子育てしているんだから」と周知していけば、市民も制度を使いやすくなるのではないかと思うんですね。

「福祉」という言葉が嫌い?

――子育て支援とともにあらゆる自治体が頭を悩ませているのは、高齢化対策だと思います。熊谷市長の就任後は、敬老会の開催補助やシルバー健康入浴事業、鍼きゅうマッサージ施設利用補助といった高齢者への予算が削減されています。77歳、88歳、99歳になった方への市長名義の祝い金も見直したいと発言されていますが、相当な批判があるのではないでしょうか?

熊谷:当初はすごいものがありました。ただ今は、当初に比べればコンセンサスが得られてきていると感じています。「お年寄りを敬う」ために単純にお金を配る、そのことに特段の違和感を持たない人がこれほどいるんだな、と感じました。お年寄りを敬うことは人として当然のことですが、お年寄りのために施策を打つことと、単なる給付に予算を付けることとはまったく別問題のはずです。今でも一部には「長年に渡って市税を納めてもらった人たちに少しはお返しするのが当然」という人もいますが、納税は義務なんです。感謝を示すとかそういった性格のものではないと思うのですが、日本の地域行政の、独特の文化なのかも知れません。

関連記事

新着記事

»もっと見る