オトナの教養 週末の一冊

2015年1月9日

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中村宏之 (なかむら・ひろゆき)

ジャーナリスト

1967年生まれ。91年、慶應義塾大学経済学部卒、読売新聞東京本社入社。ロンドン特派員、米ハーバード大学国際問題研究所研究員、経済部デスク、調査研究本部主任研究員などを経て2017年4月より読売新聞東京本社メディア局編集部次長。『御社の寿命』、『世界を切り拓くビジネス・ローヤー』、(いずれも中央公論新社)など

――本書では大きなニュースになった経済事件や時代を画した出来事を選んだということですか。

倉都康行氏

倉都:マーケットや実体経済に影響を与えた出来事です。衝撃度ではかるとこういうラインナップになるのかなと思います。全部ではありませんが、新興国のケースや為替の問題などは、同じようなことを繰り返しているようなところもあります。

 リーマン・ショックも100年に一度の事件と言われますが、構造的によく見ると、まったく新しいことではなく、昔から起きたことがいくつか重なり合っており、毎回想像できない突拍子もないことが起きているわけではありません。構造的なものが繰り返し吹き出している側面があることをわかっていただきたいと思いながら書きました。

――同じことを繰り返しているというのは、経済や金融の世界は学習していないということでしょうか。

倉都:学習効果がききにくいということはあるかもしれません。人間のやっていることなので、みんな「今回は違う」と思いながら、結局は同じことを繰り返している。お金がからむとどうしても人間の弱さが出てくるのかもしれません。ただ、そんなシステムをやめてしまえと言うことは簡単ですが、それはそういう訳にもゆきませんし。

――12の経済事件の中で、倉都さんにとって最も衝撃的だったのはどの事件ですか。

倉都:衝撃的だったのはやはりリーマン・ショックです。あれは底が抜けるのではないかと、自分自身、正直、恐怖感に襲われました。アメリカの2大巨大金融グループまでつぶれてしまうのではないか、とさえ思いました。それぐらい怖かったです。規模と影響度において群を抜いていたと思います。

――このほか、ご自身で金融の現場で体験したことで大きかったことはどれでしょう。

倉都:個人的には1992年のポンド危機でしょうか。当時は今と違って、自分がいくら損をしているのか、あるいはもうかっているのか、リアルタイムでわからない状況でした。ストレスで一時、耳が聞こえにくくなったこともありました。1985年のプラザ合意、1987年のブラックマンデーの時も大変でした。忘れられないことは多くありますね。

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