2024年6月22日(土)

地域再生のキーワード

2015年7月22日

 ある日、金子さんの店に、常連だった俳優の中尾彬さんが、テレビ番組で一緒になった岸博幸・慶應義塾大学教授を連れてきた。金子さんは岸教授に、そんな夢を語ったのだという。

門脇光浩・仙北市長

 「それなら地方創生特区に立候補したらいいですよ」。経済産業省出身の岸教授のアドバイスで、夢物語はどんどん現実の計画へと変わっていくことになる。岸教授は金子さんと一緒に門脇光浩・仙北市長を訪ねたが、市長も一気に乗り気になった。

 今年3月、政府は仙北市を、愛知県や仙台市と共に「地方創生特区」に指定した。安倍晋三内閣がアベノミクスの柱と位置づける国家戦略特区のひとつになったのだ。「国有林野の民間開放特区、農林・医療ツーリズムのための改革拠点」という位置づけだ。

 門脇市長は、「今回の特区指定を機に、農業体験などを目玉にしたグリーンツーリズムや、温泉での湯治を柱とするヘルスケアツーリズムの拠点として磨きをかけたい」と抱負を語る。

 仙北市の北部には湯治場として有名な玉川温泉がある。難病に効果があるとして岩盤浴などに訪れる人が多い。温泉の効用によって病気の予防や重篤化を防げれば、医療費を抑制するという国の方針にも合致する。「医療と温泉を分けて考えず、『温泉に入院する』という考え方があっていい」と門脇市長の語り口に熱がこもる。

江戸時代に始まり日本の岩盤浴の発祥の地ともいわれる玉川温泉。

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