地域再生のキーワード

2015年7月22日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

 特区申請には今話題のドローンを活用して、火山の監視や山岳遭難者の捜索といった実証実験を行うことも含まれている。仲間にはそうした先進技術に強い人材もいる。建設ICTの専門家である千葉薫さんは政府の審議会で委員なども務めるエキスパートだ。

良い素材をつなぐ

 もちろん観光業を担う人材もいる。田沢湖高原水沢温泉郷で旅館青荷山荘を経営する堀田雅人さんは、昨年から隣接の大型リゾートホテル・ニュースカイの経営も引き継いだ。「地域で最大規模のホテルが閉鎖となったら地域全体が地盤沈下すると考えた」からだ。

整備され明るい国有林

 「それぞれの点では良いモノを持っているけど、これが線でつながらない。誰かがつなげてくれるのを待っているようなところがある」と堀田さんは言う。健康ツーリズムをキーワードにすれば、温泉療養だけでなく、森林浴やスキーなどのスポーツ、無農薬栽培の農産物や、安全・安心な畜産品などによるおいしい食事と、仙北の強みがひとつにつながっていく。バラバラの点を線で結んでいくことこそ金子さんが狙う地域おこしの要諦なのだ。

 取材当日に集まった人たちの他にも、どんどん仲間は広がっている。「特区をみんなが身近に感じて、俺も参加できるんだ、と全市民に思ってもらう必要がある」と金子さん。7月19日には住民向け説明会を開く予定だ。そこには今回、仙北市と地方創生特区を結び付ける役割を偶然にも担うことになった中尾さんと岸教授がやって来る。

田沢湖のたつこ像

 秋にも、担当大臣と市長、事業者が集まる区域会議が開かれ、具体的な計画が詰められることになる。市内に国立公園の指定区域があり、湯治場などもある仙北市は、林野庁や国土交通省だけでなく、環境省や厚生労働省、秋田県などの規制主体が入り組んでいる。規制緩和といっても一筋縄ではいかなかっただけに、自治体や事業者の要望が通る特区での取り組みは規制改革の突破口になる可能性が大きい。

 だが、焦点は「上からの改革」では物事が進まないことだ。そのためにも金子さんたち地元の人々が意欲を持つことが不可欠になってくる。

(写真:生津勝隆)

  
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◆Wedge2015年7月号より

 

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