今回の特区指定に当たっては、外国人医師が診療所で診察することを解禁するという項目も含まれる。もちろん医師会は強く反発しているが、仙北市は、もともと関係が深い台湾からの湯治客向けが主眼だと説明している。
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特区指定を受けて、金子さんの周りには地域おこしに向けた仲間が集まってきた。それぞれの分野で仙北の将来を見据え、発信を続けてきた、いわば一騎当千の強者(つわもの)たちだ。彼らが、仙北の国有林に集結しつつあるのだ。
70歳になって絵を描き始めた長岐俊彦さんは、もともとは大手百貨店などにも勤めたマーケティング専門家。芸術活動が高じて仙北に「巨木の森・野外美術館」を作った。豚の飼育は長老の加藤義直さん、国有林での放牧を担当する。豚だけでなく、羊やヤギ、ニワトリも放し飼いにし、生ハムだけでなく、ソーセージやベーコンなど様々な加工品作りにつなげるのが目標だ。
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農業指導を受け持つ坂本公紀さんは無農薬栽培で20年以上のキャリアを持つ。坂本さんの作る有機質肥料栽培のあきたこまちは関東地方などにも根強いファンがいる。農畜産物をそのまま売るのではなく、加工したり、ブランドを付けて高く売る。いわゆる6次産業化による高付加価値戦略を狙うのだ。名産の秋田杉にも付加価値を付ける。腕を振るうのは木工のベテランである草彅三雄さんだ。