日本人が住む便利なスクンビット 一方で息苦しさを感じる人も
多くの日本人が生活しているスクンビットエリアについて触れたい。そもそもスクンビットエリアとは、主要幹線道路のスクンビット通りに面したエリアであり、一般的には、BTS(高架鉄道)ナナ駅からエカマイ駅までの地域のことを指す。
タイに住んでいる日本人の多くが駐在員で、住居は前述したスクンビットエリアとシーロムエリアの2ヵ所に偏在。シーロムエリアとは、アジア有数の歓楽街、タニヤを擁する地域でありながら、オフィス街の中心地でもある。金融などはシーロムに集中し、40年以上も前から一大日本人街を形成している。
ただし、子どもがいる家族の場合、ほぼスクンビットエリアを選択する。その理由は、日系飲食店、スーパーなどが充実していることもそうだが、なんといっても日本人学校の送り迎えのバスがスクンビットエリアまでしか来ないという事情が大きい。学校へは徒歩などでの送迎は許されず、自ずとスクンビットエリアを選択しなければならない。無茶苦茶な話だが、そういった現実があるのも事実。しかもバスの送迎費は、授業料並みに高く、不満を漏らす日本人も少なくない。
昔はシーロムエリアが日本人の中心地だったが、現在ではスクンビットエリアの方が日本人が多いと言われている。スクンビットエリアには、前述したように日系飲食店やスーパーなどのほか、インターナショナルスクールや幼稚園、高級ブランドが多数入居するショッピングモールなども立ち並び、生活において不便さは見当たらない。
日本でいうと、渋谷と表参道を足して2で割ったような場所をイメージしてもらえるとわかりやすいだろう。日本人のみならず、欧米人も多く住んでおり、駐在員にはお馴染みのカラオケ(日本でいうキャバクラのような所)や風俗店も点在し、非常にコンパクトにまとまっている。ちなみにシーロムとスクンビットは空いていれば車で20分程度で着くが、スクンビットで事足りてしまうため、なかなか足が向かなくなるのも「駐在員あるある」だったりする。