世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年9月30日

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 今日でも東南アジアでは、日本の戦争と反省は大きな問題ではない。日本の侵略は、西側の植民地主義と独立までの短い間合いで起こったとの歴史がある。また日本は援助国、貿易相手国などであり、対中関係での潜在的同盟国である。東南アジア諸国としては、日本と良い関係を持っておく理由は多い。

 中国では共産党は対日闘争を自らの正統性強化に使っている。韓国の民族主義も反日が基礎になっている。だから中国と韓国はどんな謝罪もほぼ受け入れないだろうか、だからと言って、よりよい謝罪をしない理由にはならない、と述べています。

出 典:Economist  ‘The uses of history’(August 29, 2015)
http://www.economist.com/news/asia/21662571-asian-views-japans-20th-century-expansionism-are-not-all-negative-uses-history

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 エコノミスト誌は日本の戦争を断罪する論調を一貫して掲げてきた雑誌です。ただ、この記事は、そういう考えを踏まえつつも、アジアでの日本の戦争への評価が東南アジアと中韓で異なること、中韓は反日を政権の正統性の基盤である民族主義鼓舞の材料に使っており、謝罪を十分と受け入れる気はないことなど、客観的な報道をしています。

 また、20世紀の歴史について、毛沢東やネールが日本の成功で鼓舞されたことや、アウンサンやチャンドラ・ボースのことにも言及しています。日本はアジアの解放のために戦ったわけではありませんが、アジアでの植民地主義は第2次世界大戦により大きく終結の方向に向かったことは否定できない歴史の事実です。こういう認識が広まることは良いことです。

 第2次世界大戦について、米国と英国、オランダとの対日感情にはかなり差があるという印象を持っています。オランダの場合、インドネシアが独立し、植民地を失いました。英国はインド、マレー、ビルマなどの植民地を失いました。その恨みがあるように思われます。

 中国は9月3日に対日戦勝70周年を、軍事パレードをして祝いました。ロシアのプーチン大統領も韓国の朴大統領も出席しました。歴史を踏まえない茶番劇で、安倍総理が行かないのは当然でした。日本は米国に負けたのであって、中国に負けたのではありません。ロシアについて言うと、広島に原爆が落とされ、日本がロシアに戦争終結の仲介を頼んでいる1945年8月9日、長崎に原爆が落とされた日に、火事場泥棒的に中立条約を侵犯し、戦争を仕掛けてきたのであって、戦勝国と言えるのか中国以上に疑問です。ロシアは関東軍を奇襲攻撃し、その後旅順・大連をソ連の租借地にしたと言うのが歴史の事実です。

 韓国は戦勝国でも何でもありません。日本のために、韓国の若者は朴大統領の父君も含め、戦ったのです。李登輝総統が台湾について言っていることは朝鮮にそのままあてはまります。

  
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