“絆”は積み重ねてゆくもの
同じ利害があったので、スタートしたという間柄。
けれど、なにかあったときには、「同じ家に住む」者として、「今の時点では」手を差し伸べあう。
これが、彼の言う“分散型”の真骨頂かもしれないと思った。
そこで、私は後日、メールをした。
「小野塚さんの言う“利害”というのが、単に言葉の使い方であり、分類上の単なるタグ(札)のようものであるとするならば、小野塚さんは“絆”に必要な2つを分けてスタートすることで、両方を満たす方法をとっているのではないですか?」
すると、彼は返信に書いてきた、
「確かに、『無償はなく利害』と言うと、言い方はシビアかもしれません。だけど、お互いのちょっとした貸し借りが、関係を深めるという面はあるのかもしれませんね」
小野塚さんがシェアハウスを始めて、4年。
住人の入れ替わりは、転勤した一人を除くと、今の時点では、まだない。
追記:国土交通省が平成26年に発表した「シェアハウス等における契約実態等に関する調査報告書」(http://www.mlit.go.jp/common/001046740.pdf p7グラフ参照)によると、2013年3月末時点で、累計供給物件数は約 1400 物件あまりでおよそ 1万9000 戸(ひつじインキュベーション・スクエア調べ)。近年は、年率 30%程度で供給数が増加している。
不況による収入の低下や非正規雇用者の増加、高い家賃などを解決する策として、家賃の高い東京を中心にシェアハウスは評価されている。
⇒第5回(10月配信予定)に続く。
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