サントリーニ島 2014.5.1~5.13
「多少はタフな仕事だぜ」(It’s a bit tough job)
米海軍パイロット物語
5月11日午前6時半。日の出を見終わった後で遊歩道の脇にある中世の砦でぼんやりしていたら、早朝散歩している男性がこちらに歩いてきた。アポロキャップを被りジーンズを穿いてフライトジャケットのようなジャンパーを羽織っている。欧米人としては中肉中背だが陽に焼けて精悍な容貌であり敏捷で隙のない身のこなしである。
私は少し警戒しながら「ハーイ」と挨拶した。話してみると気さくなナイスガイである。職業はなんと米海軍のパイロットとのこと。なるほど見るからにタフガイである。現在45歳で数年前に身分上は退役して現在は嘱託として飛んでいるとのこと。元々出身は西海岸サンディエゴとのこと。サンディエゴといえば西海岸の海軍の要であり、トムクルーズの出世作の映画“トップガン”の舞台だったことなどを思い出した。
「サンディエゴで空母の艦載機であるジェット戦闘機乗りとしてキャリアをスタートした。それからハワイの海軍基地に転属となり、引き続きジェット戦闘機に乗った。」
「それじゃあ、映画トップガンのような世界を体験してきたわけだ。やはり相当に体力のみならず精神的にも厳しい毎日だった?」
「そうだね。多少はタフなジョブだぜ。若くないと出来ないな。」と彼はニヤッと笑った。
「ジェット戦闘機を卒業してから沖縄の嘉手納基地に転属となった。だから俺は日本にも詳しいぜ。沖縄ではPCオライオンで対潜哨戒活動したり電子偵察機で偵察活動をやっていたよ。」
「電子偵察機といえば確か10年ほど前に中国領空のボーダー附近で中国の戦闘機とトラブルがあって中国の海南島に不時着して国際問題になったことがあったね。当時中国関係のビジネスをしていたので覚えているんだけど」