2024年12月22日(日)

古希バックパッカー海外放浪記

2015年9月19日

サントリーニ島(2014.5.1~5.13)

陽は沈みやがて星空に
カナダの聖少女アリーゼ19歳

イオ村の遊歩道から見た白い街並みと蒼い海の世界

 「タカ、仏様(Buddah)はどこにいらっしゃるのかしら」アリーゼは満天の星空を見上げながら呟いた。

 「アリ、さっき太陽が沈んだけど仏様は水平線の向こうの極楽浄土で今は静かに眠っているんだ。そして仏様が目を覚ますと再び太陽が昇ってくる。つまり仏様は常に我々と一緒であり我々を遠くから見守っているんだ」私は子供のころ聞いた祖母の素朴な教えを思い出してアリーゼに伝えた。

 その日、すなわち5月1日の午後1時、クレタ島からの高速フェリーボートはサントリーニ島の中心フィラの町の断崖の真下にある桟橋に接岸。港から路線バスに揺られて島の西端の村イアに。ここでは“世界で一番美しい夕陽”が見られるという。海を望む断崖のすぐ近くのユースホステルに投宿。

 ホステルのテラスは海に沈む夕陽を眺めるには絶好の場所だ。私は村のスーパーで買い込んだビールとパン、チーズ、サラミなどを持参してテラスのベンチに座ってゆったりと夕食をとりながら絶景を楽しんでいた。同室の英国人エンジニアのライアン君やフレンチ・カナディアンや米国西海岸の学生連中も加わり一緒に愉快に飲み食いしながら世界一の夕陽を堪能。

 日が暮れきってしまうと三々五々と夜の街に出かけてゆき、テラスにはケベック出身で児童心理学専攻の大学生アリーゼと私の二人だけとなった。気温が下がり風も吹いてきたので私は部屋に戻り毛布と赤ワインを取ってきた。二人で一枚の毛布にくるまり安ワインを飲みながら話を続けた。

ユースのテラスで夕陽を眺めるカリフォルニアの大学生

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