2024年4月20日(土)

古希バックパッカー海外放浪記

2015年8月12日


ギリシアの島々と南イタリア周遊(2014.3.31-6.26)
・総支出50万2000円 往復航空券9万8000円含む
・エーゲ海→イオニア海→マテラ洞窟住居→アマルフィ―海岸→イスキア島

ロードス島 永い航海の果てに

 4月8日午前9時、アテネから一昼夜の航海を経てフェリーボートはロードス島オールドタウンの新港に投錨した。

 デッキからロードス島の騎士団の要塞、白く輝く旧市街を望見。永年憧憬してきた世界がそこにあった。早春の陽光のもと、青い蒼い空と海と白い街並みが100%眼前にある。まさに夢に描いてきた完璧な地中海世界がそこにあった。そして無限の自由な時間。

 サラリーマン生活という長いトンネルを抜けていきなり明るい世界に飛び出したような歓喜と開放感。記憶は一気に一年前にフラッシュバックした。
 

北京の歌姫「ルシア」

 2013年5月1日。私は北京にいた。サラリーマン生活最後の任地の北京で黄金週間(ゴールデンウイーク)の休日。私は60歳の定年を間近に控え、5月末には帰国の予定であった。

ルシア。三里屯のカフェテラスで

  その日の午後、北京の六本木と称される三里屯(サンリートン)のカフェテラスで25歳のジャズ・シンガーであるルシア(中国名:沙沙)とお茶をしていた。午前中、彼女が出演する北京市主催の野外ステージでの音楽祭があり、彼女は地元のバンドをバックにオリジナルのロックを数曲歌った。そのあと慰労を兼ねてイタリア料理のレストランで食事をして、ぶらぶら三里屯を散歩していた。

 当時私は記念すべき退職後の最初の旅の目的地をギリシア・南イタリアの地中海とするか、またはモロッコを中心とする北アフリカとするか迷っていた。そのことをカフェテラスでルシアに話すと彼女は間髪をおかず中国語(北京官話)で断定するように言った。

 『あなたが地中海に行くなら、わたしも行くわ』

 その一言で決まった。不退転の覚悟で海外放浪するという心構えができた瞬間でもあった。

 ルシアとの出会いは更に数か月遡る。同年1月のハイヤットパーク・ホテルの最上階のバー・ラウンジだ。


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